どこの国で何語が話されているのか旅行に行きたい国でどの言語が話されているのかについては、テキストを選定する上では考えておかなければいけないポイントです。
問題はその国で何語が話されているかとその国の公用語が必ずしも一致していないということがあります。
たとえば北欧で言うと、フィンランドやスウェーデンの公用語はフィンランド語とスウェーデン語ですが、80%以上の人はかなり流暢に英語が話せるので、英語ができれば充分です。ここでは国名と言語名が一致しているものはリストに載せておりません。
アメリカ合衆国:英語
カナダ:英語モントリオール以東はフランス語ですが英語が通じないというわけでもないです。
オーストラリア:英語
ニュージーランド:英語
ハイチ・ブラジルを除く中南米:スペイン語
ハイチ:フランス語
ブラジル:ポルトガル語
香港:英語・広東語・中国語
シンガポール:英語・中国語
フィリピン:タガログ語・英語
インド:ヒンディー語・英語
パキスタン:ウルドゥー語・英語
スイス:イタリア語、フランス語・ドイツ語・英語
ベルギー:フラマン語・フランス語
オーストリア:ドイツ語
中近東:ほとんどがアラビア語
アフリカ北部:アラビア語
アフリカ中部:フランス語・英語
アフリカ南部:英語
よくフランス人は「プライドが高いから英語で話しかけてもフランス語で返す」という話しがあります。しかしこれは同じヨーロッパ人同士からでてきた話のようです。私たち日本人が英語で話しかけた場合は英語で返してくれます。特にパリやリヨンのような大都市では、フランス語で話しても英語で返されるくらいです。
どこの国でも大都市、有名観光都市であれば英語が程度の差があれ通じます。空港、一流ホテルでは通常通じます。その一方、英語を母語としていない国ではちょっと地方に行くと英語がほとんど通じなくなることもあります。
これは私たちが、英語がほとんど通じると思いこんでいるドイツやオランダでも起こることです。英語が話せるということで、ちょっと気をつけたいのはスペインです。特にバルセロナは州政府の方針でスペイン語とカタロニア語の教育が義務付けられているため第三言語まで手がまわらないのか英語が通じる確率が他の国に比べてグッと減ります。
警官はまず英語を話せませんので、街で英語を話す警官にあったらひったくり目的の偽警官と思って間違いないです。
さてテキストの紹介ですが、ここでは言語別に紹介していきます。その前に出版されているテキストの概況をお話します。
英語
私が意外に感じているのは、英語の教材で旅行会話に特化したものは多くないということです。もちろん英語教材の出版数は他の言語と比べるとダントツに多いので、旅行会話のテキストもたくさんありますが、旅行会話と英語全体を比率でみると他の言語より少ないようです。
それは英検、TOEICといといった日本では非常にポピュラーな資格試験対策本がたくさんあることがありますが、それだけではなく、時事英語、ビジネス会話、日常会話の比重が多いように思います。
中国語・韓国語
現在では、中国語と韓国語のアジアに大言語が英語に次いで出版数が多くなっています。中国語と韓国語には同じ特徴があります。中国語であればピンインという漢字の読み方、韓国語であればハングル文字の読み方がテキストのはじめのところでかなりの紙面が割かれています。そのため会話に使われるフレーズを載せた部分が少なくなるという傾向があります。
フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語
20年前までは英語以外の外国語というとこれら4つを指していました。さて、このヨーロッパ4大言語についてですが、出版社もこれらを一つの括りとしてとらえているらしく、一つの出版社が「ゼロから話せるドイツ語」という教材があると必ず「ゼロから話せるフランス語」「ゼロから話せるイタリア語」「ゼロから話せるスペイン語」が存在します。もちろん著者はそれぞれ違うわけですが、テキストの構成やCDの収録パターンはほとんど同じです。
ロシア語・ポルトガル語
その他の言語となると出版数が絶対的に減ってきます。ヨーロッパ4大言語の次に多いのはロシア語とポルトガル語(ブラジル・ポルトガル語を含む)になりますが、なかなか先に私が挙げた5つの条件がすべてそろっているものはありません。しかしその中でも使えそうなテキストを本コラムでは紹介しています。
その他の言語
その他の言語になりますと、言語ごとの出版数が非常に少なくなります。その中には国連公用語であるアラビア語も含まれています。そして言語の種類はグンと広がってしまいます。
思いつくだけでアラビア語、ペルシア語、ヘブライ語、トルコ語、タガログ語、インドネシア語、ミャンマー語、ベトナム語、モンゴル語、ポーランド語、ルーマニア語、チェコ語、オランダ語、ポーランド語などがあります。これらについては挙げるときりがないので本コラムではとりあげないことにしました。
とにかく、それらの言語についてはテキストが限られていますので、それらを使ってお話しする方法で学習するようにしましょう。それではAtlasがおすすめの教材をあげます。お話した5つの条件をすべてクリアしていないものについては*印で注釈をいれています。
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