ここまで、発音や文法が苦手でも、英会話は成立するということを説明してきました。実際、今世界で話されている英語のほとんどが完璧ではない英語です。前述になりますが、世界で英語を話している人口20億人のなかで、ネイティブスピーカーは3.5億人しかいません。
世界に10人しか人がいないとしたら、英語のネイティブは1~2人しかいないということになります。10人の中で8~9人がネイティブスピーカーではないのです。英語を話す8割以上がネイティブではないんです。これは、とても大事なことです。
英語を話す方々のほとんどがネイティブではないということは、世の中で使われている英語について、具体的に次の3つのことがわかります。
・俗に言う「ネイティブみたいな発音」ではない ・文法が完璧なわけではない ・発音・文法が完璧でなくても伝わる
ここまでの説明でピンときたかもしれませんが、私たちが目指すべき英語というのはまさにこれです。ネイティブを目指す必要はないのです。
私たちが目指すべき英語、それは世界で英語を話す人のほとんどが使っている「発音も文法も完璧でなくてもなんとかなる英語」です。英語を話す80%以上の人が使っているくらいなので、あなたにも確実にできます。
ここで、これまでの話をまとめます。
1.どうやって英語を「作る」のか? を考えるのではなく、どうやったら英語が「伝わる」のか? を考える
2. 意識を変えるだけで英語は簡単になる
3.英語を話せる人が10人いたら、ネイティブは1~2人の少数派
4.ネイティブが少数派ということは、世界のほとんどの英語は発音・文法が完璧ではない
5.発音・文法が完璧でなくても世界では当然のように使われており、彼らにできるのだから私たちにも使いこなすことができる
6.私たちが目指すべき英語は、「発音も文法も完璧でなくてもなんとかなる英語」
以上を考えると、少しは気楽に英会話というものに向き合えるかと思います。ぜひ、今日からは積極的に英語を話してみましょう。 例えば、外国人に道を聞かれた時。 切符の買い方がわからなくて困っている外国人を見かけた時など、積極的に英語を使ってみましょう。
話さなくていいことは一つもありません。話さないことは、日本では謙虚で思慮深い人と考えられることがありますが、世界では何を考えているのかわからない人だと考えられてしまいます。また、話さないことで、コミュニケーションに取り組む努力を放棄しているとネガティブに捉えられてしまうかもしれません。
下手でもいいので、伝えようとする努力を怠らないことが、これからの英会話では最も必要なことなのです。英語は案外簡単なのです。
Atlasマンツーマン英会話語学カウンセラー 新山卓仁(にいやま・たかひろ)
明治学院大学文学科卒。大学卒業後、海外出張をはじめ、海外企業との電話やメールなどで日常的に英語を使用。2008年に教育コンサルタントとしてAtlasマンツーマン英会話と出会い、2010年に入社。主に企業向けのマンツーマンレッスンの英語指導に携わってきた。現在、語学カウンセラーとして、英語の悩みを抱えている企業を対象にカウンセリングサービスを提供。
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