そもそも私は、英語が学生時代から得意ではなかったが、アトラス株式会社のWebマーケティング事業部の新入社員として採用され入社後のTOEICテストで300点台からWebデザイナー兼語学カウンセラーになるまで誰もが驚くほど英語力を上げたと思っている。
筆記試験は得意だったことで、数年でTOEICのスコアは急上昇したが、それでもリスニングに自信がなく、外国人講師との会話についていけず悔しい思いをした。会話中は、頭の中で英語から日本語に訳して話すので、言葉が出るまでに1秒以上はかかってしまう。そうするとだいたい、考えていることを先に講師に言われてしまう。
こんな私の英語が上達するのは、並大抵の勉強ではあまりにも時間が足りないと考え、その後、札幌本社で働き始めるようになり、リスニングとコンプレヘンシブが弱いためにいつも携帯電話の録音機能をオンにしていた。毎日2時間以上の録音を1件ずつ計10件ずつ思考錯誤してから講師ひとり一人に返答した。
最初は、録音制限時間の10分に収まらなく、自分が英語で話している内容も自分で聴いてもわからないほど発音が悪いことがわかった。単語や表現を変えながら何回もやり直すと、何とか伝わるレベルになったようだ。
すると、徐々になかなかの発音と表現で明確に用件を伝えられるようになった。結局、1件対して返答するのに10回以上思考錯誤し毎日3時間以上を費やしたが、この時間が結果として合理的なトレーニングになったようだ。
この経験で体得した私は、英語は英語として勉強しても無駄だということ。ネイティブのようにうまく話そう、きれいな発音にしようとするよりも、大切なことは自分が何を考えているのか、それをどう短くパンチのある言葉で表現するか。つまり、内容と表現で決まるということを理解するようになった。
日本語さえ誰でも自分の考えを端的に伝えられるわけではないことを考えると、これらの重要性がわかる。これらを身につけるにはトレーニングしかない。しかも紙に書くのではなく、自分の言葉で耳で聴くことだ。単調になるとつまらなくなり、あまりに下手でも自分に嫌気がさしてくる。しかし、それを繰り返していると自分でも上達が実感できたのだ。
苦手な人も多い発音も、自分で自分の英語を聴いてネイティブとの差を意識すると上手くなる。私の場合、特に発音のためにAtlasマンツーマン英会話の担当講師を雇った。それもプロのオペラ歌手でオーケストラに所属しているほどの腕前だ。そんな講師から声の出し方を教えてもらい、クリアに話せるようになっていった。
単語は中学英語レベルの基本で十分だった。もちろん仕事では業界用語や専門用語は必要だが、考え方や気持ちは中学英語で今では完璧に伝えられるようになった。ネイティブといっても結局、1500語程度の中学英語レベルの単語と流行語だけで会話しているのだ。
今考えると高校生のときに留学したかった。大学生は少し遅いかもしれない。しかし、努力しだいで英語で考えて1秒以内で返答できるレベルにまで達することはできる。そのためにはスポーツ選手が自らを鍛えるように、どれだけ時間を費やし、自分を徹底的に鍛えるかできまるものなのだ。
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