事前準備が大切なのは、商談も同じだろう。先方が英語圏の人とは限らないので、様々な文化的背景を想定した上で本番に行ってもらいたい。日本人は1回の商談を顔合わせで終え、本題に入らないことが多い。意味もなく会う回数を重ねることは、先方をイライラさせる恐れがある。相手によっては初回から具体的な交渉ができるよう入念に準備していきたい。
その際、何の話をするために会うのかを双方が事前に把握し、関係のない話にならないようにできるだけ気をつける。契約後に怖いことは、「口で言ったことも契約」のように文化によって異なる点だろう。相手の話をどこまで信用するかも確認したいところだ。
一方、日本人のビジネススタイルが世界基準ではどう位置づけられているのかも考えてみる必要がある。日本人は世界的に見ても反応が弱く、提案している内容をどう思っているかが読みづらい民族だと思われている。
さらに驚かれるのが、商談に立ち会う人と決定権を持つ人の意見が異なり、結論が変わってしまうことだ。どこまで妥協できるかを決めて、その範囲内の決定権は商談に立ち会う人に委ねたほうがスムーズに進む。
交渉で気をつけたいのは、答えがイエスかノーになる質問を避けることだろう。例えば、「この商品のご予算はどのくらいでしょうか?」という聞き方にすること。より具体的な情報を引き出すことができるからだ。相手の提案や依頼を断るときは、いきなりNOと言ってはいけない。I’m afraid~やUnfortunately~などの言い回しを使うと印象が柔らかくなる。
英語でのプレゼンテーションや商談では、英語のロジックを理解する必要がある。まずは、結論を述べてから、自分の考えや理由を説明すると伝わりやすいだろう。これは日本語でのビジネスでも使えるテクニックだ。
|