TOEICで900点を取ったら、英語がペラペラに話せるようになるだろうと信じて英語の勉強に励むビジネスパーソンは少なくない。しかし、ネイティブ同士の会話で使われている英語はTOEICの設問とは全然違うものだ。
TOEIC900点台で留学した日本人からよく聞くのが、「授業の英語は聴き取れるけど、学生同士の会話には最初は全然入れなかった」というものだ。
ネイティブと会話をしたいのなら、留学しなくても国内の英会話スクールや英会話カフェのイベントでも出会える。しかし、実際に話しかけてもすぐに意志統合するとは限らない。特に、アメリカ人は意外に気を使ってくれる人が多いのでが、それに気づかない日本人がほとんどだろう。そこにコミュニケーション上での誤解が生じてしまうことがあるのだ。
会話を続けるコツは、主に3パターンに分けられる。①話し手が話し続ける、②話し手が誰かを指名する、③話し終えたときに入り込む、というものだ。
話し手は会話の最後にイントネーションを下げるので、そのタイミングを意識して会話に入り込めばスムーズになる。しかし、数秒でも間が空くと相手が再び話し始め、気がつけば会話に入り込めないままになっている。
自分の話す順番が回ってきても、頭の中で組み立てた英語を一方的に話すだけでは、その後に気まずい空気が流れるだけだ。
ネイティブ動詞のコミュニケーションや日常会話を知りたければ、YouTubeなどの動画を見るとイメージをつかみやすい。洋画や海外ドラマを英語字幕付きで観るにのもヒントになるだろう。
日常会話のやり取りを字幕や音声で見ていくうちに、会話のテンポやスピードに慣れてくる。会話交代のタイミングをつかんでリズムに乗れたら、相手のいうことが全部わからなくても話し相手として認めてくれるようになるだろう。コミュニケーション力を磨いて会話のスキルが上がれば、自然と英語力アップにつながる。
最近は日本の若者たちの発音がよくなっているが、流暢に英語を話したいだけで、何を話したいのか目的がない、内容のない会話がほとんどになっている気がする。文法を中心に学んできた30代、40代、50代の方が語彙が豊富で雑談に中身があり盛り上がる。
日常会話といっても、職場や学校、趣味の集まりなど人によって状況は様々だ。どんな状況でも英語を使い、どんな話をしたいかで、身につける表現力や単語は違ってくる。例えば、海外旅行に行くだけなら、100フレーズほど覚えていけば問題ないだろう。自分が英語を使ってしたいこと、伝えたいことを文章にして日常で交わす雑談さえ楽しくなる。
会話中の相づち一つでも、無意識のうちに相手を不快にさせている恐れがある。日常でヤ普段やっているような「ウンウン」と繰り返すこと自体、外国人には会話の邪魔になっつている可能性があるので、1回うなづくかアイコンタクトだけでいいだろう。
会話中のアイコンタクトの時間は、50%以下に抑えると圧迫感が感じられなくなるという。さらに、日本人の場合、質問されないと相手に話を振られたことに気づかない場合が多い。話を聞き流し、会話を途切れさせることがないように気をつけたい。
特に、ネイティブと比べて日本人は会話の間が長すぎる。上手くディスカッションに入り込めずに黙りこんで貝になってしまうのは、自ら壁を作っていることになると意識するべきだ。
実際に英語で仕事をすることになると、会話のハードルは一段と上がってくる。今、企業が欲しいのはカジュアルな賢さだ。勉強して賢くなった理論的な賢さよりも、現場で経験を積んだ強い人材を求めているのだ。
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