ビジネスマンの新TOEIC対策は、自分は最終的にどのようになりたいのかを考えるべきだ。人事部が求めるスコアの背景には、どんなニーズがあるのかもだ。スコアだけが目的なのかもしれないが、実際に英語で話したり読んだりするための英語運用力を同時に高めたいニーズも高いはずだ。
そこで、英語運用力を高めつつスコアをアップさせたいという人のためにTOEICを活用した英語勉強法を紹介しよう。それはズバリ、教材をそのまま暗記することで、設問を作成するネイティブが英語で書いたTOEICの英文の語順やストーリーをそのまま自分に取り込むことが、英語上達に最適な方法なのだ。
暗記のメリットの一つとして、英語でメッセージを伝える順番が身につくことがある。一般的な日本人の場合、同じ日本人から質問されたときに核心から外れた社交辞令的な言い回しをすることで余計なストレスを与えてしまうことはよくあることだ。一方、英語では同じ質問に対し、いきなり本題から入ることがほとんどだろう。
英語力が低くても、情報を出す順番を変え、相手の思考回路に合わせて伝えることでスムーズなコミュニケーションができるようになる。新TOEICの教材にはそんなことははっきりと書かれていないが、テキストを暗記すれば、頭の中に自然な英語の思考回路ができてくる。それこそが英語の運用力向上に直結する方法だ。
暗記勉強法は、TOEICを構成しているリスニングセクションとリーディングセクションの合計7パートを使い分けることで、初級レベル(TOEIC400点未満)から上級レベル(TOEIC800点以上)の人まで対応できる。
400点未満の初級レベルの人は、短くて単純な英文が使われるパート1と2を使う。CDなどの音声を聴いて正解の選択肢を音声の直後に文字を見ずに繰り返して言い覚える。それだけでもかなり負担がかかり、はじめは簡単に繰り返せないが、3,4回やれば音源通りに言えるようになるだろう。少し文章が長いパート5も使える。
単語が頭の中に浮かんだ順番に話してしまう人も多い。正しい英文を丸ごと繰り返すことで、主語→動詞→目的語→場所の情報といった語順が頭に染みつき、間違った語順を矯正することができるようになる。このトレーニングを継続すると、知っていても使えなかった英語表現が自然に口から出てくるようになる。
このレベルの人は、英語力以前にモチベーションの低さが大きな障害になっている可能性がある。そのため、スコアアップだけに役立つテクニックも身につけても構わないだろう。それで実際にスコアが上がれば、学習を継続するモチベーションが自然と湧いてくるはずだ。
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