約10年ぶりに2度目の改訂を行うことになった新TOEICは、2016年5月末の公開テストから導入される。
改訂の目的は、より使える英語への転換だが、今までは解き方のコツを身につけていけば、ある程度のスコアアップが可能だった。しかし、新TOEICでは小手先のテクニックが通用しにくくなるだろう、ということだろう。
新TOEICで試されるのは、自然な英語と会話や英文への全体的な理解力だろう。教科書的な英語表現が減る中、実際の会話で使われる欧米的なフランクな表現を増やしている。
今までは問題文の特定部分に答えるためにその中にヒントが含まれていて傾向と対策を踏まえた解答を導くことが可能だったが、改訂後は単語や熟語だけではなく、一文で空欄を埋める問題が加わっていく。
文章に明示されない話し手の意図を問われる問題もあり、これらは会話や文章の全体像を理解できなければ解答すること自体が難しいだろう。具体的に出題形式がどう変わったのか予想してみよう。
新たに変更されたセクション
リスニングセクション:パート1の写真描写問題が10→6に減り、パート2の応答問題も30→25に減少、一方、パート3の会話問題が30→39に増えた。また、会話の人数が3人になり、話す順番もランダムになった。短い発言も増え、会話のやり取りが増えた。また、省略形や文の一部など、口語で使われる表現が増え、以前より自然な英語になった。会話とグラフを関連づけて解答したり、文章に明示されない話し手の意図を問う設問が出るため、文章全体を理解しなければ解けなくなる。
リーディングセクション:パート5の短文穴埋め問題が40→30に減る一方、パート6の長文穴埋め問題が12→16に増えた。また、パート7の読解問題も48→54に増大した。長文穴埋め問題に、一文を空欄に埋める設問が加わっている。インターネットのチャットやメールなど、日常生活でよく使われる設問が増えた印象がある。読解問題では、3つの文章を読んで、その関連性を理解しなければ解けない設問もある。
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