Atlasマンツーマン英会話の経営者の思考回路である削除思考は、そのビジネスモデルと同じで、非常に単純明快である。その内容は、カウンセラーと講師は質で勝負、サービスは必要最低限、ヒト・モノ・カネの流通は最短距離、スクールは明るく清潔で便利、すべて実質本位である。
Atlasマンツーマン英会話の経営者たちはみんなこのような考えである。これはAtlasの強みである。事業を起こして15年足らずの間に10億円企業に成長した原動力がここにあると思う。
しかし、単純明快な思考に慣れ過ぎているため、日本のように何ごとも複雑な国にくると、摩擦とストレスを日本人が勝手に起こしてしまいやすい。これが弱みであろう。
Atlasマンツーマン英会話の意志決定は基本的にトップダウンで、社長のピーター・ヨネナガ氏が絶大な統率力を発揮している。スクール開発の意志の決定はもちろん、日常のオペレーションのかなり細かい部分についても、トップが決定する。
統一的なオペレーションを生命線としているのでこれは当然のことだろう。決定されたことは、一定の役割分担に基づいて、有無を言わさずにすばやく実行される。米国企業をはじめとするグローバル企業の典型的なパターンだろう。
しかしその反面、トップとのコミュニケーションを日常的な行えるのは限られたマネージャーや幹部であり、そのために、末端レベルでの意思決定が遅れることがたまにある。また、トップへの依存度が高過ぎて部下のコミットメントがとれないために、ローカルスタッフが成長しにくい。これが弱みである。
Atlasマンツーマン英会話は、会員制語学スクールという一つの業態にすべての経営資源を集中して、事業の多角化や業態の多角化は一切おこなっていない。語学やそれぞれの外国語文化の背景を商品化しているのみである。そのために年々着実に成長してきた。新規開校は日本全国で年1,2校開校している。
このような経営資源に一極集中が成功すればするほど、新しい事業やテクノロジーへの対応を遅らせる原因になるものである。しかしAtlasの場合は、2000年からレッスンルーム用のソフトとサーバー開発を始め、オンライン英会話スクール事業を2002年に開始した。
2002年に始めたオンラインスクールはeAtlasが国内最初で業界ではパイオニアにあたる。 |