50歳を過ぎてから英語を始めても、英語は上達する。悲観する必要はない。むしろ50代以上のほうがいい点がある。
一つは学ぼうとする意欲が高いこと。学生時代と比べよく辞書を引く傾向がある。もう一つは目的や言いたいことがハッキリしていること。Atlasマンツーマン英会話でレッスンを受けている50代以上の会員たちも、海外赴任中や留学中のこどもを訪ねたい、海外に旅行に行きたいなど、目的が非常に明確。だから目的に合った具体的な表現を効率よく学ぶことができる。
例えば、こどものホストファミリーにお土産を渡すときは、日本語的ではなく、しっかりした英語で表現したい。自己紹介とあいさつだけはビシッと決めたいなどのニーズがある。
読み書きが得意なのもこの世代の特徴になっている。それを生かして事前に言いたいことを書いておけば、発音はジャパニーズ・イングリッシュで通じる。とにかく大きな声でハッキリと発音すること。さらに、若い人より知識と経験があり、相手を思いやる行動が取れるので、会話での語学力不足をカバーすることも多い。
ただ、年齢が上がってくるとリスニングや記憶力に不安を感じる人も少なくない。リスニングはルールを知っていると聞き取りやすくなる。記憶力は確かに落ちるが、忘れたらまた覚えればいいので、これも悲観しなくてもいい。
では、どんなことに気をつけて英語を勉強すればいいのか。
まずは、洋楽や洋画など興味のあるテーマから始めること。中学英語レベルからやり直すのがお勧め。確かに文型を学ぶにはいいが、単語や文の内容はやや退屈かもしれない。不要なモノを捨てて、できるだけ自分の知的レベルに合うものを使ってわがままに勉強してほしい。それが継続のコツだ。
アメリカのTimesやNewsweekよりも、読み物として大人に人気なのが週刊ST(ジャパンタイムズ社発行)だ。英文のニュースに単語などの解説が日本語でついていて、英語学習についてのコラムも連載している。付属のCDでリスニングもできる。AFN(米軍放送ネットワーク)を聴くのもいい。
会話は映画で学ぶと楽しいはずだ。言いたいことはなるべく短い簡単な文章で表現すること。そのためにも映画はいい教材になるはずだ。最初はDVDを英語音声・英語字幕なしで観て、何となくストーリーがわかってきたところで、今度は少しずつシーンを区切って聴き慣れたセリフを書き取りしてみる。
次に同じシーンを英語音声・日本語字幕で観る。すると意味から推測して聞き取れる部分が増えてくるはず。最後に英語字幕・英語音声で観て、自分が書き取ったものを確認していく。そして、その中から気に行った文章を覚える。1日1個覚えれば、1年で350以上の英文が覚えられる。
そのままだとすぐ忘れてしまうのでノートを作る必要がある。自分の使いやすいABC順やアイウエオ順など英語と日本語で書いておく。映画に限らず、本を読んでいいと思った文章があれば書いておく。自分だけのフレーズ集ができるようになる。
海外旅行に行って、ちょっとしたことが英語で言えなくて困ることがあるだろう。受験英語をやってきたせいか、50代以上は難しい単語は知っていても簡単なことが言えないことが少なくない。
日本にいると英語を話すチャンスは少ないが、普段できることは家で英作文を書いて使う機会を増やすこと。日記をつけていると文章がしっかり整ってくるからだ。会話にも必ず効果があるはずだ。
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