2011年4月から小学5,6年生の外国語活動が始まり、2014年4月からは小学3年生から必修化された。授業内容は自己紹介、家や学校での生活など、身近な場面での音声コミュニケーションが中心となっている。英語を使う楽しさを体験することが狙いになっている。
しかし、文部科学省の調査では2007年時点で80%以上の公立小学校が英語の授業を実施していて、現在はほぼ100%に近い実施率だ。現場に必修化の驚きはなかったが、最近の英語教育への関心が高まる中、Atlasのような子供向けの英語学習市場が活気づいている。
NHKはここ数年、小学生向けの英語番組を放送している。すべて英語の番組だが、英語がはじめてでもストレスなく見られる内容だ。子供を飽きさせないような工夫も見られる。世界各国の子供たちが出題するクイズに答えていく形式で番組が進行する。
それもアメリカやオーストラリアだけでなく、シンガポールやヨーロッパなど非ネイティブ語圏からも映像が届く仕組みになっている。アメリカ人やイギリス人などのネイティブスピーカーが番組をリードするのではなく、日本人が日本人らしく、英語で言いたいことを言わないと、この先、世界に通用しなくなってしまうのを考えての演出に見える。アメリカ人の真似をすることだけが英語ではないということを強調した内容だ。
英会話教室や子供向け学習塾の動きも活発だ。Atlasでは小学生向けの学習カリキュラムを強化した。また、英語で何かを学んだり体験したりするプログラムも増やしている。習った英語を使う場になると保護者たちにも歓迎されている。企業の英語公用語化の動きなど、親たちの英語への関心は今まで以上に高まっている。
英語で苦労した親たちは子供には早くから身につけさせたい、企業はますますグローバル化が進むので必ず英語が必要になるなど危機感を肌で感じているようだ。
ただ、週に1回のマンツーマンレッスンで英語力を大幅に上げるのは難しい。そこで英語に触れる時間を増やそうと、語学カウンセラーが自宅で見られるお勧めのディズニー作品やアニメなどを紹介している。担当講師は、どの生徒がどのコンテンツを見たのかをチェックできる。
小学1年から英語の読み書きが始まり、3年生になると英語で理科や社会を学ぶ。5年生からはアメリカの小学校で取り上げているテーマをもとにさまざまな話を英語でする。特に5,6年生からは日本の中学3年で勉強する文法も入ってくる。自分で考えをプレゼンできるレベルまで行けることが目標となっている。
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