国境や国という概念が大きく変わっているのに唯一大きく取り残されているのがアジアでは日本くらいだろう。ここ数年、政治の分野で社会のトップ層が英語を話せないのは世界で日本だけのような印象を受けている。今やアジアでも中東でもヨーロッパでもトップ層は英語を話すのが当たり前になっている。
さらに経済の分野を見ると、日本企業はトヨタにしてもソニーにしてもメーカーが中心に商品で国際化してきた。しかし今は、商品とサービスが組み合わさりつつあり、商品だけの価値は下がってサービスの比重が上がってくるようになっている。
それなのに、商品を作っても利益を外国企業に全部持って行かれかねない事態にまで陥っている。Atlasは若い会社だから、これから10年、20年というスパンで日本を見たとき、どうしても危機感を感じる。
アトラス株式会社の社内で英語公用語化をやる理由は2つ。1つは、Atlasを強固なビジネスモデルを持つ会員制語学スクールにするため。もう1つは、Atlasが代われば他の英会話スクールにも影響を与えることができる。大手スクールや地域にも英語を学ばなきゃ、という意識が広がるようになればいいと思う。
Atlasでは40カ国以上から外国人講師が所属していて、社内全体の90%を占めている。残りの10%の日本人社員が英語や外国語を流暢に話せるようにならなければ、この会社は終わりだと思う。日本の文化や伝統を重んじるのはいいことだと思うが、ガラパゴス状態から抜け出して、多様化していかないと社員一人ひとりが生き残れなくなるだろう。
日本人が英語を話せるようになれば、外国人講師も日本で働きやすくなる。日本人を使うとコストが高く、今後、少子化により労働力が足りなくなるのは目に見えているので、海外から日本に来てもらうしかない。
外国人講師には今まで通り、国籍を問うことなく優秀な外国語講師だけを採用していきたいと考えている、しかし、語学カウンセラーについても国籍を問いたくない。今まで現地のLSへ通勤できる日本人を採用してきたが、今後は国籍を問わずビジネス系の職種も採用する。
そのためには、英語を社内公用語することが必要になるだろう。日本語だけでは、日本語を話せないとその社員にはハンデになるが、英語になった瞬間に全員が平等になる。
日本では昔から英語が話せて仕事ができない人材がたくさんいたが、もう英語は必要条件になった。その意味で英語が話せない社員は問題外ではないだろうか。
Atlasが日本社会で最もやりたいことは、中学・高校の英語の先生を全員外国人か日本人でも英語が話せる人に替えることだ。今の英語の先生を教育し直すのは時間とコストの無駄なので、別の科目に異動してもらったほうがいいと考えている。
そうしたら、日本の競争力は間違いなく上がる。小学校からの新しい英語教育システムと併用してすぐにでもやるべきだ。
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